全国一斉学力テストは、昨年度に引き続き今年度も、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施されました。全国一斉学力テストは過去にも行われていましたが、様々な問題が発生し中止となっていました。それを43年ぶりに復活したのですが、過去と同じような問題がまた発生しています。

特に今年、全国的に問題となったのは、結果の公表についてです。国(文部科学省)は、都道府県教育委員会に対して、市町村名・学校名を明らかにした公表はしないよう求めており、序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮するようにと言っています。

ところが、秋田県が市町村別の一部のデータを公表したり、大阪府や鳥取県の知事が自治体に対して公表を迫り、予算配分にも言及して脅し的な発言をするなど、社会的問題となりました。

新宿区では、昨年度、今年度とも区教委区委員会として各学校を並べて結果を公表するようなことはしない方針ですが、各学校が自校の結果を公表することについては、昨年度「公表しないよう指導する」という方針から、今年度は条件付きで学校判断とする方針をとったため、自校の結果をホームページ等で公表する学校が現れました。

日本共産党区議団は、毎年の予算要望書の中では、全国一斉学力テストに参加をしないよう求め、公表についても行わないよう要求してきましたが、今回の事態を受けて改めて区教育委員会の委員長と教育長に申し入れを行いました。

申し入れの全文は以下の通りです。
新宿区教育委員会
委員長  木島 冨士雄  様
教育長 金子 良江   様



全国学力調査の来年度以降不参加等を求める申し入れ



2008年10月21日        

日本共産党新宿区議会議員団      


 昨年度から始まった「全国学力調査」は、今年度も小学校6年生と中学校3年生を対象に、学力・学習状況の調査が行われ、8月末に文部科学省から結果が送付されました。
 当初から批判が大きい「全国学力調査」について、今年2月に出された日弁連の意見書でも「学校教育現場にテスト成績重視の風潮、過度の競争をもたらし、教師の自由で創造的な教育活動を妨げ、文部科学大臣の教育に対する「不当な支配」(教育基本法16条1項)に該当する違法の疑いが強い。」と述べているように、様々な問題点が多く、学力を測るためなら我が国も参加したPISA(OECD生徒の学習到達度調査)や、TIMSS(国際教育到達度評価学会による国際数学・理科教育動向調査)のようなサンプル調査で充分であり、58億円もの巨額の税金を投入して実施する必要はありません。愛知県犬山市は昨年度に引き続き、今年度も不参加でしたが、私立学校の不参加率も38%から47%に増加していることにも見られるように、悉皆調査で行うことの意味自体がすでに失われています。
 今年度は特に、成績公表をめぐって、秋田県が市町村別データの一部を公表したり、鳥取県や大阪府では知事が市町村への予算配分と結果公表の有無を関連させる発言をするなど、社会的に問題になっています。公表が進むことによって過度な競争が引き起こされることはこれまでの事例でも明らかです。
 新宿区教育委員会は、各学校の平均正答率についての公表は行わない方針ですが、学校が公表することについては今年度、学校判断としたため、自校の成績結果をホームページ等で公表する学校が現れ、地域や保護者から「これが広がれば学校の格付けにつながる」と危惧する声が出されています。「全国学力調査」に参加をすれば、今後もこのような事態が起こることが予想されます。
 以上のことから、区教育委員会に対し、来年度以降の「全国学力調査」には参加をしないよう申し入れるものです。